四 「三池カルタ」の復元 (八)外箱製造の追加 「三池カルタ」の復元作業では、当初は、予算の関係で収納箱は制作できなかった。だが、それではさすがに寂しいし、せっかく出来上がったカルタがかわいそうでもあるので、後年になって、松井に依頼して桐の木箱を制作した。もともとの三池カルタは紙包みであったと思われるので、桐箱は歴史の逸脱に思えてためらったが、将来の所蔵者たちの保管の便宜を優先して、多分歴史にないであろう収納箱を製作した。そのためにこのカルタは木箱入りの状態で通用しているが、歴史的に考えられたものではない。
二 百人一首歌仙絵の世界での指導権の争奪 (五)江戸狩野派による歌仙絵の主導権の奪取 ここで私が注目したのは狩野探幽である。狩野探幽は、幕府の奥御用絵師という立場を得て、江戸で江戸狩野派を開いた。当時、歌人絵付きの「歌仙手鑑」...
五 かるた、カルタ史研究の高まり (五)児童遊戯史研究、玩具史研究におけるかるた史の軽視 さらに、こうした民俗学の偏向に影響されているのか、遊戯史、玩具史においてもかるたに関する研究が少ない。ここでは二例についてだけ触れておこう。...
MONOGRAPH 「南蛮カルタ」・450年後のよみがえり 江橋 崇 English/Japanese ボハルデのドラゴンカルタ・整列済 一 よみがえった「南蛮カルタ」 ベルギーカルタ博物館HP 今年...
江戸時代~昭和時代、伝統の賭博/遊技系カルタ一覧 かぶカルタ かぶカルタ(左より、かぶ札、金青山、入の吉、昭和後期) かぶかるた かぶカルタは、関西地方中心に用いられた賭博遊技のカルタです。不思議なこと...
二 十五が勝数の「きんご」の遊技法 (二)「きんごカルタ」遊技専用札の発祥 きんごカルタは、始めは一組四十八枚の天正カルタを用いてされていたものと思われるが、それが、同じ四十八枚でも、同じ数字の札は同じ図像で識別しや...