二 自由花札の時代の様相 (五)自由なグローバル花札への展開 日本で考案された花札は、世界的に見ても魅力のあるカード・ゲームである。フィッシング・ゲームという手札で場札を釣り取ってくるタイプの遊技法は、国外に広まる十分な魅力を持っている。遊技文化の世界では、海外、特に欧米の遊技が先進的であり、グローバルであるという観念が強いが、こうした欧米崇拝の是非はさて置くとして、花札にはグロ... 館長
二 自由花札の時代の様相 (四)かるた遊技愛好者グループと新遊技法開発 こうして、平成元年(1989)のトランプ類税の廃止は、平成年間(1989~2019)にまったく新しい発想のカルタ、かるた文化を生み出したのである。それは、伝統的な花札の制作者やその取り巻きから見れば、販売不振であり、堕落であり、花札文化、かるた文化の終末にしか見えないであろう。だから「花札は、かるたの絶滅危惧種の代表」... 館長
二 自由花札の時代の様相 (三)花札のデジタル化、花札遊技のデジタル化 これに加えて、デジタル社会の驚異的な発展に伴い、インターネット上に多数の花札遊技サイトが登場した。そこでは、もちろん伝統的な花札図像を用いるものもあるが、新しい発想で基本の図像とは異なる独自の図像を取り入れることも容易である。もちろんここでも、個人のアートとして、花札図像をもじった数枚のカードデザインを発表する者が多数... 館長
二 自由花札の時代の様相 (二)かるたのトレーディング・カードとしての活用 もう一点注目されるのは、平成年間(1989~2019)に入って、花札の四十八枚をすべて制作するのではなく、その中の何枚かに限って制作する場合が増えたことである。一つには、キーホルダー、ストラップ、ワッペン、クリアファイル、マスキング・テープなどに載せるカルタ状の図柄としての活用であり、特にタレントのコンサートなどのプロ... 館長
二 自由花札の時代の様相 (一)「自由花札の時代」の先例は「自由麻雀の時代」 私は、こういうかるた、カルタの世界の動きを、自由花札の時代と呼んでいるが、その趣旨をもう少し説明しておきたい。 この言葉は、1910~20年代の中国で唱えられた「自由麻雀の時代」のもじりである。この「自由麻雀」について、かつて私は千葉県いすみ市に開設された「麻雀博物館」の会報に一文を寄せたことがある。今日では入手しにく... 館長