三 江戸カルタ研究室による問題提起への応答 (二)『教訓世諦鑑』の検討 貝原益軒 言及するのが遅くなったが、研究室が発掘した文献史料、宝永八年(1711)刊の貝原益軒『教訓世諦鑑』巻二、第三「博奕(ばくえき)」について一言しておこう。私は、この文献の存在することを研究室の指摘で初めて知った。当然、原本を読みたいのであるが、利用可能なものの所在がよく分からず、また、復刻本もない。それどころか... 館長
三 江戸カルタ研究室による問題提起への応答 (一)単なる批判者の責任と対抗学説主張者の責任 私が誤記説批判を文章にしたのはずいぶん以前で、それは当時私一人で行った学界全体を相手にした反乱であったのだが、当時は研究室のサイトはまだ開設されていなくて、私の念頭にもなかった。研究室はその後にこの議論に参加してきたのだが、幸い、従来の通説のこの問題性に気付いたようで、長い時間をかけて十七世紀、江戸時代前期(1652~... 館長