江戸期かるた文化の研究(一覧)

(五)批判の背景

山口は、『最後のよみカルタ』の出版以前には、私とはほとんど面識がなかった。それがなぜ突然に牙をむいて吠え掛かってきたのかは奇妙である。それほど深く交際していなかった私にはその理由を判断する十分な根拠はない。ただ、当時、山

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(四)復元作業批判の登場

この復元作業の完成後しばらくたって、福井県在住の山口泰彦は、著書『最後の読みカルタ』[1]で、私の復元作業への関わりについて批判を書き連ねた。そこで展開された批判の要点は以下の八点に要約できる。   江橋は莫大な浪費をし

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(二)版木上のカルタの配列

次に、これはミスではなく、嬉しい新たな発見であったのだが、この版木におけるカードの並べ方は、ポルトガルから伝来したカード・ゲームの遊技法、特にトリック・テイキング・ゲームである「合せ」におけるカードの強弱に従っていた。そ

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(一)国産初期の「三池カルタ」版木の出現

こうして、「三池カルタ」の復元は完成した。開館後の「三池カルタ記念館」では、やはり来館者の注目はこのカルタに集まり、江戸時代初期のカルタのイメージを明確に伝えることができた。数百万円の高額の費用を要した事業であったが、取

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(三)「松浦屏風」のカルタ札図像の解析

成瀬論文までの議論の応酬は、主として画題の衣裳を取り上げて検討したものである[1]が、別の視点から成瀬の問題提起に応じた指摘が登場した。漆工史研究の近藤利江子は画中資料の硯箱の描写を分析し[2]、「実際に描いた時期と、絵

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