復元天正カルタに使用する用紙についての検討も行った。復元作業ではまず滴翠美術館の山口格太郎に相談し、滴翠美術館の「三池住貞次」の「三池カルタ」に用いられている用紙が以前に行った紙の専門家の科学的調査でこうぞ和紙と判明しており、繊維の長さから九州産であろうと推定されているデータをいただいたうえで、それならば八女市のこうぞ和紙であろうと推定して使った。それも、漂白剤も防腐剤も入っていない昔ながらの紙を特注で漉いてもらった。

用紙選定については、加工の段取りもあるので松井と何度か話してある。また、使用する用紙の候補として、滴翠美術館のカルタに近いものを何種類か松井の所に持ち込んで比較検討してもらい、意見を聞いたこともある。そして、和紙には「目」があり、これを間違えるとカルタに仕立てられないという注意を受け、その旨を刷師に伝えて、不用意な誤りを避けた。

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