二 版本『百人一首』の歌人図像の由来 (二)『奈良絵本百人一首』(『吉田本』)の出現 『奈良絵本百人一首』(吉田本) (右:天智天皇、左:持統天皇、江戸時代前期、 『百人一首 為家本・尊円親王本考』) ここで検討しなければならないのが、慶長、元和年間(1596~1624)の作品とされている手描きの百人一首画帖、吉田幸一が画像を公開した『奈良絵本百人一首』(以下、『吉田本』と略記)である。これは箱蓋裏の「... 館長
二 版本『百人一首』の歌人図像の由来 (一)版本『百人一首』の歌人画の由来 『素庵筆百人一首』初頁 (東洋文庫蔵、江戸時代初期) 百人一首かるた絵が版本の『素庵百人一首』とそれを模倣した『尊圓百人一首』に由来することが明らかになったとして、次の課題は、手本となった『素庵百人一首』における歌人画は何に由来したのかの解明である。それが先行していた三十六歌仙画帖などの図像を模倣したものであるとは以前... 館長