一 謎の多い「うんすんカルタ」 (三) 残された「うんすんカルタ」の実例 今日、物品史料及びその写し として利用可能な程度にまとまって紹介されたうんすんカルタは、① 九州国立博物館蔵のもの 、②明治期(1868~1912)の文献 『うなゐのとも』に収録された西沢苗畝旧蔵のもの 、③ 大阪市の南蛮文化館蔵品のもの 、④明治年間(1868~1912)の京都のカルタ屋 山内任天堂や大石天狗堂が制作... 館長
一 謎の多い「うんすんカルタ」 (二)「うんすんカルタ」模様の器物 ここで、「うんすんかるた模様」とされる器物について簡単に見ておこう。これらは骨董品として古くから珍重され、高額で売買されてきたが、元来は茶席の用具ないし遊郭などの家具、什器として制作されたものである。美術に造詣が深かった山口吉郎兵衛は、当然であるが多額を費やしてすばらしい品物を何点も蒐集しており、それを眼にし、手に取れ... 館長
一 謎の多い「うんすんカルタ」 (一)謎の多い「うんすんカルタ」 貞享三年(1686)刊の『雍州府志』において、黒川道祐は、「宇牟須牟加留多(うんすんカルタ)」を「かう」や「ひいき」と並ぶ「博奕の戯」として切り捨てた。私は、日本に最初に伝来した「カルタ」という遊技法は、「オンブル」のようなトリック・テイキング・ゲームであり、それが江戸時代前期(1652~1704)に「合せ」とも呼ばれ... 館長