四 花札の遊技法とその意味するところ (二)花札の遊技法の意味すること 花札の遊技法には、江戸時代の女性らしさを求める文化が見える。すでに絵合せカルタは上流階級の女性が愛好する遊技として始まったことを紹介したが、花札に付いてもそれが当てはまる。創始者の示した遊技法は、このかるたの遊技が、基本的には文芸や芸能風の役作りにあることを示している。そして遊技者に求められるものは、他の遊技者から何か... 館長
四 花札の遊技法とその意味するところ (一)花札の遊技法 花合せかるたは、花の種類が百種で四百枚構成のもの、五十三種で二百十二枚構成のもの、二十五種で百枚構成のもの、十二種で四十八枚構成のものなどが存在していた。『宴遊日記』で柳沢信鴻の家臣儀助が土産としたものがどのタイプのものであったのかは書き残されていない。花の種類が紋標となり、「桜」なり「菊」なりで、一つの紋標に四枚ある... 館長