一 伝来の天正カルタを使う「合せカルタ」遊技の歴史
一 伝来の天正カルタを使う「合せカルタ」遊技の歴史の記事一覧
今日、江戸時代中期(1704~89)の上方にあった「てんしょ(合せ)」を解明するうえで一番頼りになるのは、大正年間(1912~26)以降の警察・検察当局の資料と、現代まで残っている遊技法そのものである。これらを参考にすると、「てんしょ(合せ)」は、参加者がゲームの開始時に配られた数枚のカード(手札)を一枚ずつ順次に出し...
江戸時代前期(1652~1704)に「読み」と人気を競っていたトリック・テイキング・ゲームの「合せ」カルタの遊技法は、江戸時代中期(1704~89)になると人気を失い、消滅していった。「合せ」と同種のトリック・テイキング・ゲームは世界各地にあり、ゲームとしては十分に興味深いものであるから、これがこの時期の日本の社会で嫌...
江戸時代中期(1704~89)に、フィッシング・ゲームを一組四十八枚の海外から伝来のカルタでも行おうという機運が生じた。日本式かるたと伝来のカルタの境界線でいえば、日本式かるたの一種である「花合せ」かるたの遊技法が一歩を踏み出してその線を超え、伝来のカルタの世界に入った遊技法が、フィッシング・ゲームの「てんしょ(合せ)...