二 江戸の「地口かるた」の原点は上方の「粋ことばかるた」
二 江戸の「地口かるた」の原点は上方の「粋ことばかるた」の記事一覧
私の手元には、さらに、江戸時代後期(1789~1854)の上方、屋号「かねカ」版の「しんはんすいことばたとゑいろは」上下二枚の骨摺りがある。下端に「此所ふりはしめ」とあるが、絵双六としてどのように機能するのかは分からない。内容的には、江戸時代後期(1789~1854)の文芸に共通する特徴であるが、いろは順に整理する作法...
もう一点手元にあるのは、やはり江戸時代中・後期(1704~1854)に属するがまだ「いろは順化」は生じていない。カードは縦五・一センチ、横三・二センチで、彩色は「すいことば花月遊」かるたと同じ桃色、黄色、紺色の木版合羽摺りであるが、裏紙は字札、絵札ともに黒裏である。残念なことに枚数も足らず、箱もないのでかるたの名称がわ...
江戸の「地口かるた」が分かるととても気になるのが上方の「粋ことばかるた」の遊技である。「粋ことば」は江戸時代の上方の言葉で「花街などで流行する、気のきいた味のあることば。隠語や『せんぼ』やしゃれた言い方など、さまざまのものを含む」とされている。私はこのかるた遊技の実情に関する情報を持ち合わせていないが、カードは蒐集して...