一 『翟巣漫筆』の「譬え合せかるた」と「いろは譬え合せかるた」
一 『翟巣漫筆』の「譬え合せかるた」と「いろは譬え合せかるた」の記事一覧
三番目に斎藤が指摘したのは「又同じ比のたとへ哥かるた」である。これは次のような内容のものである。 「又同じ比のたとへ哥かるた」 いしの上にも三年 ろんごよみのろんごしらず はい吹から大じや なより団子 欄外に:灰吹きに大じや にたものは夫婦 ほとけ作ってたましひ入ず へたのなかだんき ...
文化頃、北斎のいろはたと斎藤によれば、その後、文化文政期(1804~30)に、江戸に固有の「いろは譬えかるた」が現れたようである。斎藤が少年期に遊んだ記憶があるこのかるたを、斎藤は「文化頃、北斎のいろはたとへ」と呼んでいるが、次のような内容である。 「文化頃、北斎のいろはたとへ」 いぬもあるけば棒にあたる ...
江戸時代後期(1789~1854)の「絵合せかるた」類の中で特に人気の高かった「いろは譬えかるた」について整理しておこう。私はこれまですでに、江戸時代前期(1652~1704)に「譬え合せかるた」が発祥して長い期間愛好され、そこから江戸時代中期(1704~89)の後半、概ね天明年間(1781~89)頃にいろは順に整序し...