三 九が勝数のかぶカルタ遊技 (二)「かぶカルタ」遊技の流行 かぶカルタ遊技図(『鹿の巻筆』) 貞享三年(1686)刊の『鹿の巻筆』「三人論議」では、主役の一人三郎兵衛は「カルタをすきて、讀(よみ)の、合(あわ)せの、かうなどゝいふ事のみ深(ふか)く望(のぞ)みけり」であり論議の中でカルタを弁護して「讀(よみ)のかるたは壹枚のこり、上(あ)がられぬ事八つの善(ぜん)ありながら、壹... 館長
三 九が勝数のかぶカルタ遊技 (一) 四十枚一組の「かぶカルタ」の発祥 次に、四十枚一組のかぶカルタの発祥である。かぶカルタも江戸時代の史料はほとんどない。その発祥は多くの謎に包まれている。その中で私にとって最大の難問は、江戸時代初期(1603~52)、前期(1652~1704)の社会で、アディング・ゲームとしては「十五」を勝数とするきんごカルタが海外から伝来しているのに、なぜこれと並行し... 館長