三 かるた遊技の文化史的意義 (三)日本式かるた遊技の世界文化的な価値 最近、「いろはカルタ」を世界に誇る文化遺産だとする見解が表された。その趣旨は、これが諺を四十八句に絞り、絵画表現を付加した遊具だという点に尽きる。だが、この見解は、日本で創意工夫されたかるたの卓越した価値を十分には説明できていない。かるた史では脇役の「いろはかるた」グループ中の人気者を主役としている点に大きな誤解がある... 館長
三 かるた遊技の文化史的意義 (二)日本式かるたと日本の文化史 日本式かるたが社会的に広まったのは江戸時代前期(1652~1704)、第四代将軍徳川家綱の治世以降のことである。それ以前のごく少数の上級の武家や公家の世界での遊技具から発展して、遊郭での優雅な遊興の具となり、さらに一般社会に広まっていった。各種の「絵合せかるた」も「歌合せかるた」も、遊技と考案が重ねられていて、遊興と親... 館長
三 かるた遊技の文化史的意義 (一)国語(日本語)教育におけるかるたの活用 文部科学省は平成二十年(2008)の学習指導要領改定において、新たに〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕の教育として、小学校三、四年生の国語で「ア 伝統的な言語文化に関する事項」として「(ア) 易しい文語調の短歌や俳句について、情景を思い浮かべたり、リズムを感じ取りながら音読や暗唱をしたりすること。(イ) 長い... 館長