二 一対・二枚の「絵合せかるた」の 発展史 (三)「絵合せかるた」一組の札の枚数 絵合せかるたの魅力は何といっても二枚の合い札を並べたときに出現する図像の楽しみにある。「源氏物語絵合せかるた」では、光源氏を巡るその巻のストーリーの情景が眼前に現れる。似たような場面での混乱を避けるように巻名が表示される。「譬え絵合せかるた」では、二枚の図像を合わせるとその譬えの意味合いが図像として理解できる。虫尽し、... 館長
二 一対・二枚の「絵合せかるた」の 発展史 (二)一対・二枚の「絵合せかるた」の遊技法 文献史料では、『毛吹草』の「付合」の部分に、「袷(あはせ)」と「繪合(ゑあはせ)」に「賀留多(かるた)遊」があり、延宝三年(1675)の『吉原大雑書』は、今の女郎はあさましいという感想を述べる際に、昔の遊女について「あわせかるたうたかるたけんしさかもり哥あわせ哥やれんかやしをつくりさもけたかくもじんしやうにしほらしくお... 館長
二 一対・二枚の「絵合せかるた」の 発展史 (一)一対・二枚の「絵合せかるた」の発展史 私は、以前から、絵合せかるたの歴史に関心が強く、考えるところがある。これからその概略を説明しておこう。それはおおむね次のようなものである。 江戸時代初期(1603~52)、前期(1652~1704)には、平安時代から伝わる「貝覆」 の遊技から派生して、対になる図像、あるいは同一の図像が描かれた五十対・百枚ないし百対・二... 館長