三 江戸時代後期以降の花札 (三)木版花札「武蔵野」の登場 花札の歴史が大きく転換したのは、木版の「武蔵野」が開発されたことによる。これがいつ頃に市場に登場したのかは分かっていない。清水以降の通説は、これが寛政の改革によるめくりカルタの代用品であると理解していたので、開発に若干の時間を要して、文化年間(1804~1818)頃に登場したであろうと想像して説明していた。しかし、適切... 館長
三 江戸時代後期以降の花札 (二)古典型の花合せかるたと花札仕様の花合せかるた 花合せ(四枚組み)かるた (大牟田市立三池カルタ・ 歴史資料館蔵、明治時代) 大牟田市立三池カルタ・歴史資料館には明治前期(1868~87)のものと思われる四枚組みの花合せかるたがある。それは例えば、「桐に鳳凰 七百点」「桐 三百点」(三枚ある)、「河骨に鶴 八十点」「河骨 五十点」(三枚ある)、「粟に雀 八十点」、「... 館長
三 江戸時代後期以降の花札 (一)伝狩野芳崖筆の花合せかるた 狩野芳崖『花鳥合せ』 (『日本の名画1狩野芳崖』) 「寶永二年拝領花合せかるた(仮称)」の発見によって改めて注目されるのが、幕末期 (1854~67)の 狩野芳崖筆と伝えられる花合せかるた である。これの存在は昭和五十一年(1976)刊の『日本の名画1狩野芳崖』(中央公論社)で以前から知られていたが、所蔵者が不明でそこ... 館長