二 「めくりカルタ」遊技の歴史 (四)鬼札と幽霊札 めくりカルタの遊技法を見ると、「ゆうれい札」と「鬼札」が重要な働きをしている。これらのカードがめくり札に添付されるようになったいきさつについては、上で扱った初代中村仲蔵の回顧録『月雪花寝物語』に重要な記述がある。仲蔵によると、めくりカルタに「仲蔵」ができた由来であるが、まずキンゴに「狐札」ができて、「十五」をこえて「十... 館長
二 「めくりカルタ」遊技の歴史 (三)『博奕仕方風聞書』の「めくりカルタ」遊技法 「めくり博奕仕方」(『博奕仕方風聞書』、江戸時代後期) めくりカルタの遊技法に関して従来の研究でもっとも基本的に依拠されてきたのが寛政年間(1789~1801)の江戸北町奉行所の記録『博奕仕方風聞書』である。同書は、寛政の改革で博奕を厳しく取り締まる中、各種の博奕について実状を調査した報告書であり、当時の取締り当局が博... 館長
二 「めくりカルタ」遊技の歴史 (二)「めくりカルタ」の遊技法 「めくり」の遊技法はフィッシング・ゲームであり、そこに、簡単な「手役」が添付された。また、江戸の遊技文化の中心地の一つである吉原で開発されたと思われる「鬼札」がさらにゲームを複雑にして興味をそそった。 「めくり」が最初に登場したのは明和七年(1770)刊の洒落本、夢中山人/寝言先生著『辰巳之園』であり、船頭次郎の台詞の... 館長
二 「めくりカルタ」遊技の歴史 (一)「めくりカルタ」の発祥 めくりカルタの発祥については比較的に史料が整っていてよく分かり、私も『ものと人間の文化史173 かるた』で細かく説明したので、ここではそれを転載するとともに、書き込めなかったものも加えて説明しておこう。 めくりカルタ遊技図(『近頃島巡り』) めくりカルタは、明和年間(1764~72)に江戸で、「てんしょ(合せ)」系の「... 館長