4-4 江戸はかるたの王国④「譬え合せかるた」「いろは譬え合せかるた」
4-4 江戸はかるたの王国④「譬え合せかるた」「いろは譬え合せかるた」の記事一覧
「いろは譬えあわせかるた」の発祥の地は上方、大坂である。時期は、江戸時代中期(1704~89)の後半、物事をいろは順に揃える文化が大流行した天明年間(1781~89)頃に、それまで一組が五十対・百枚か百対・二百枚の「譬え合せかるた」を制作していた大坂のかるた屋で、それをいろは四十七文字・九十四枚に縮小再編成する新しい考...
ここで、「いろは譬え合せかるた」の紙双六という物品史料について説明しておこう。この種の紙双六については、昭和四十九年(1974)刊の『別冊太陽 いろはかるた』の巻末で明治初年(1868~77)刊の「大橋堂版いろはたとへ雙六」(以下、「明治初期かるた双六」と略記)が復元掲載されてから珍重され、類似商品も時々現れていたが、...
さて、斎藤月岑の記録により、江戸のいろはかるた史の大まかな道筋が見えてきた。江戸時代中期(1704~89)に、上方で、それまでの「譬え合せかるた」をいろは順の四十八対に整序する考案があり、その新型のカルタが江戸に波及し、その後、文化文政期(1804~30)に江戸固有の「いろはかるた」になったということである。 江戸中期...