二 骨牌税適用外の「かるた」の消長 (三)「歌合せかるた」の展開 昭和後期(1945~89)の社会では、「百人一首歌かるた」は、なお正月中心の家庭遊戯のツールとして使われていたが、社会の変化、家庭の変化の中で徐々に衰退していた。とくに、和歌に親しむ伝来の文化が日常の生活から消えていくなかでは、百人一首の和歌を諳んじている人間も少なくなり、正月の年中行事としてのかるた取りも盛り上がりに... 館長
二 骨牌税適用外の「かるた」の消長 (二)「郷土かるた」の展開 昭和後期(1945~89)の「いろはかるた」の世界に生じたもう一つの変化が「郷土かるた」の流行である。もともと郷土の風景や名所、祭礼などを詠んだ和歌や俳句をかるたにしようとする智恵は江戸時代前期(1652~1704)からあって「名所歌合せかるた」の類は数多く制作されており、さらに郷土の英雄を取り上げた「いろは武者かるた... 館長
二 骨牌税適用外の「かるた」の消長 (一)戦後社会での「いろはかるた」の展開 昭和後期(1945~89)の日本社会ではカルタ文化は大きく様相を変えた。まず、「いろはかるた」では、伝統的な「犬棒かるた」の人気が低調になる一方で、戦後教育的な内容のものとマスコミの人気者のキャラクターものへの二分化が進みながら毎年の正月に大量に販売された。教育的な内容のものは、教材の製作会社や教育関係の出版社などから... 館長