館長より 「かるた文化通史」完成 この度、日本かるた文化史の近代編をアップして、安土桃山時代に始まる日本のかるた文化の歴史を書きあげました。もっとも偉大な先行業績である山口吉郎兵衛氏の『うんすんかるた』が上梓されてから半世紀以上の月日がたっています。その後の先人たちの業績にも学び、辛口の私のコメントも取り混ぜて、なんとか「かるた文化通史」を完成できたことを嬉しく思います。内容は細かく区分して、図像史料も多数掲載しましたので、そのひと切れを摘まむような軽い気持でご興味のある部分からご覧いただければ幸いです。 しかし、研究は日進月歩です。この作業を始めた二年前からも、多くの新発見、新主張が現れて、とても勉強になりました。ごく最近も、これまでの歴史理解が覆るような物品史料の発見があり、その新知識に基づいて完結直前の原稿を喜んで修正させていただきました。また、研究の手法でも、デジタル化が急激に進行しています。こうして令和のかるた史研究が始まるのだと実感しています。このウェブサイトもさらに努力しますので、ご活用いただければ幸いです。コロナ禍はなお深刻ですが、負けずに前に進みましょう。ご自愛をお祈りいたします。 令和二年七月 日本かるた文化館館長 かるた文化通史 江戸期かるた文化の研究 近代かるた文化の研究
三 「すんくんカルタ」が照射する元禄年間の「うんすんカルタ」 (一)「うんすんカルタ」の制作者 以上の図像の比較検討を経て、「火焔龍グループ」のうんすんカルタと「蝙蝠龍グループ」のうんすんカルタでは、その図像の相違は明確であり、同一の制...
二 元禄年間後期の花合せかるたの発見 (二)花合せかるたの百紋標の内容 この花合せかるた札の紋標は札の上の記載に従えば次の様に整理される。参考までに( )内に私の判断で今日の表記を加えた。 元禄年間花合せかるた①...
近代カルタ文化の研究 第五章 大日本帝國の標準装備となったカルタ Pinterest Instagram Facebook-f < 第四章 トランプ、麻雀、競技かるた 第六章 昭和後期のカルタ、かる...
二 歌合せかるたの遊技法 (一)「露松」と「哥がるた」 『色道大鏡』(写本) (畠山箕山、延宝六年) 江戸時代初期(1603~52)、前期(1652~1704)の遊技法の理解で最も重要視するべき実...