六.トランプ類税法の制定

骨牌税課税済証印(右:使用実例)

昭和三十二年(1957)六月十四日に「骨牌税法」は「トランプ類税法」(昭和三十二年法律第一七三号)に改正された。税額はカルタ一組六十円、麻雀牌は象牙製が一組六千円、牛骨製は一組四千円、その他の材質のものは一組千円であった。ただし、児童の遊戯用品については非課税とした。また、七月一日に従来の印紙貼付に代えて固有のトランプ類税証紙を貼付する制度が導入され、トランプ・花札用の証紙と、麻雀牌用の証紙が発表された。

また、同日に、証紙添付に代えて捺印するトランプ類税(課税済証明)検印制度も定められた。

その後、昭和三十五年(1960)十月一日にトランプ類税証紙のデザインが改められて、トランプ・花札用の証紙は、同一デザインで色彩がトランプ用は紫色、花札は桃色とされた。

トランプ類税法証紙 (トランプ・花札用)
トランプ類税(課税済証明)認印(右:検査済検印)
トランプ類税法証紙(左:花札用、右:トランプ用)

また、昭和三十七年(1962)三月三十一日の「トランプ類税法」改正(昭和三十七年法律第四九号)により、カルタ類の税額が一組四十円に減額された。ただ、麻雀牌では象牙製が一組八千円に増額される一方で、牛骨製は一組三千円、その他の材質のものは一組五百円に減額された。この時期には象牙や牛骨の自然素材の物も製造されていたが、主力は合成樹脂製になっていたので、業界全体を通じてみれば減税になっていた。

その後、消費税法の導入が議論される中で、「トランプ類税法」の廃止が検討された。消費税の税率は三パーセントと想定されており、当時の花札の販売価格は一組千五百円以下で品質に応じて製造業者によって定められていたが、「トランプ類税法」の固定税額、四十円を税率に換算すると、千五百円の物ではニ・七パーセント、千二百円の物では三パーセント、千円の物では四パーセントに相当するので重税感は薄く、消費税への移行は特に問題視されなかった。平成元年(1989)四月一日に消費税が施行されたときに「トランプ類税法」は廃止された。

これに伴い、カルタ類の制作に対する制約がなくなったので、自由な発想に基づく商品が市場に投じられることが増え、とくに漫画やアニメのキャラクターを使ったデザインのものが多くなった。既成の業界にしても、脱税防止のための税務当局の監視、検査が撤廃され、面倒な帳簿管理、製品管理が簡素化できたことにもメリットがあった。


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