骨牌税・トランプ類税小史 七.おわりに 以上、明治三十五年(1902)に「骨牌税」として始まり、途中「骨ぱい税」と呼称を変え、平成二年(1990)に「トランプ類税」としての幕を閉じた日本のカルタ課税を見てきた。この税法は奢修税から、禁止税、そして物品税へと性格を変えつつ、長期にわたって重圧となっていた。また、その厳格な徴税の管理の体制は、とくに中小の製造業者... 館長
骨牌税・トランプ類税小史 六.トランプ類税法の制定 昭和三十二年(1957)六月十四日に「骨牌税法」は「トランプ類税法」(昭和三十二年法律第一七三号)に改正された。税額はカルタ一組六十円、麻雀牌は象牙製が一組六千円、牛骨製は一組四千円、その他の材質のものは一組千円であった。ただし、児童の遊戯用品については非課税とした。また、七月一日に従来の印紙貼付に代えて固有のトランプ... 館長
骨牌税・トランプ類税小史 五.昭和後期の骨牌税法 昭和二十年(1945)の敗戦後の日本社会では、混乱の中で小賭博が流行し、また、花札などの主要な供給地であった京都市が空襲の被害を免れたのでカルタ製造業は急激に増大した国内需要に対応することができた。また、麻雀は、ギャンブル性の高いリーチ麻雀の出現により、やはり大きく流行するようになった。こうした風潮をよく思わない政府は... 館長
骨牌税・トランプ類税小史 四.骨牌税の増税と課税範囲の拡大 大正十五年(1926)に骨牌税法は大きな節目を迎えた。この年の三月二十七日に「骨牌税法」は改正され、改正法(大正十五年法律第二〇号)は、同年四月一日より、明治三十五年(2002)の制定時からずっと固定されていた税額一組二十銭を一組五十銭に増税した。また、もう一つの大きな変化は、大正十年代に日本に伝来して流行し始めた麻雀... 館長
骨牌税・トランプ類税小史 三.骨牌税法の施行 骨牌税の施行に向けて明治三十五年(1902)五月二十三日に「骨牌税法施行規則」(明治三十五年勅令第一五四号)と「骨牌ニ貼用スヘキ印紙ニ関スル件」(明治三十五年勅令第一五五号)が公布された。さらに六月二十三日に「骨牌印紙ノ形式及貼用方式」(明治三十五年大蔵省令第一四号)が制定され、七月一日に実際に使用する額面二十銭、帯状... 館長
骨牌税・トランプ類税小史 二.骨牌税法の内容 骨牌税法の内容は三本の柱から成り立っている。第一の柱は製造、販売されるカルタそのものに課税される骨牌税であり、カルタの品質、価格に関わりなく税額は一組二十銭と固定されている(第四条)。第二の柱はカルタの製造業者に課せられる製造免許料であり、経営規模の大小に関わりなく一年六十円である(第三条)。第三の柱は、こうした課税を... 館長
骨牌税・トランプ類税小史 一.骨牌税法の制定 片山貞次郎・骨牌税提案論文 日本では、明治十九年(1886)一月に、前年の年末に大阪から上京した、 大阪市内日本橋で錦絵の制作、販売を行っていた綿屋、前田喜兵衛が、東京の薬研堀で花札・トランプ類の販売を開始し、その後三月までに京橋、銀座に出店した。 当時の社会的な常識としては、花札は非合法な賭博の用具であってこれを公然... 館長