2-4 江戸中期の読みカルタ遊技 三 読みカルタ遊技の「役」 それでは、ここで、勝敗を決する最大の要素である「役」の説明に移ろう。『雨中徒然草』には百に近い役が紹介されており、その各々が私にはとても興味深いものがある。だが、さすがに数が多くて長文になるし、内容も専門的過ぎるところもあるので、急ぐ読者はこれを飛ばして四の結論的な文章に移ってくださっても結構である。
三 「ことば遊びかるた」の広がり (三)浮かび上がる「ことば遊びかるた」群 鈴木棠三は、晩年に『ことば遊び辞典』を改訂して長大な解説を書いた。それが鈴木の長年の研究の集大成のように思えるが、同書で鈴木が「ことば遊び」...
三 読みカルタの約 (六)読みカルタ遊技での紋標「ハウ」の札の優遇 以上、『雨中徒然草』の解析を経て、江戸時代中期の読みカルタの実相を見ることができた。これまでの説明から、一定のイメージを持つことができたと思...
五 読み遊技の絵画史料、『繪本池の蛙』 (二)『繪本池の蛙』の画像は合せカルタ遊技の場面 そこでは、ページの上部に「二子(にこ)ゝゝと三子(さんこ)にちかきよみがるた 青二(あをに)ひねれば丸二(おかわ)なりけり」という狂歌があり...
三 空前の花札ブームの到来 (三)「八八花」遊技法の流行 上方屋・『花ふだの憲法』 花札販売の解禁後に大流行した遊技法が「八八花」である。これはもともと幕末からの対外輸出基地として繁栄した横浜の遊廓...