四 「三池カルタ」の復元 (八)外箱製造の追加 「三池カルタ」の復元作業では、当初は、予算の関係で収納箱は制作できなかった。だが、それではさすがに寂しいし、せっかく出来上がったカルタがかわいそうでもあるので、後年になって、松井に依頼して桐の木箱を制作した。もともとの三池カルタは紙包みであったと思われるので、桐箱は歴史の逸脱に思えてためらったが、将来の所蔵者たちの保管の便宜を優先して、多分歴史にないであろう収納箱を製作した。そのためにこのカルタは木箱入りの状態で通用しているが、歴史的に考えられたものではない。
二 十九世紀の麻雀牌(プロト・マージャン) (一)グロバーの麻雀牌の発見 二十一世紀の始めにアメリカのニューヨーク市で、これまでの麻雀史の研究を根本から変えるような大発見があった。1870年代に、あるアメリカ人が二...
朝鮮の花札、「花闘」 一 「朝鮮花」(「花闘」)の発見 最近、ネット・ニュースにこんな記事があった(下線は私が付けた)。 東京都内で10月6日、シンポジウム「韓国『徴用工』問題の真実」が開かれた。...
四 戦後期社会の完結とカルタ遊技 (五)手作りカルタ、手作り花札の終焉 花札の社会的な沈滞に先駆けて「めくりカルタ」などの賭博系地方札の遊技は衰退し、この種のカードは次々と製作中止に追い込まれていった。同じように...
6-3 開国後の日本で外国人の眼に映じた日本のカルタ 十二 ロバート・スチュワート・キューリン ロバート・スチュワート・ キューリン 明治年間に日本のカルタを研究したもう一人の外国人がアメリカの民族学者、ロバート・スチュワート・キューリ...