三 読みカルタの約 (三)三枚以上で構成される役 『雨中徒然草』の役の表示はここまでがいわば複合役で得点が高い。以下は、基本は単役である。使われている札の関係で重複する場合も多かろうが、各々の役の役点を足したものが勝者の得点となる。以下、名称と札の構成、点数を紹介しておきたい。名称のいわれなどについては佐藤要人が詳しく説明しているように、江戸っ子らしい洒落が効いている... 館長
三 読みカルタの約 (二)「下三(しもざん)」役系 読みカルタの札の内、「はウ」つまり「青」の「一」「二」「三」は古くから重視され、金銀彩が施されて、「青二」「あざ」「青三」として「金入札」になった。下三役はこの三枚で構成される。『雨中徒然草』は七丁裏にこれを掲載している。「下三(しもざん)」(「青二」「あざ」「青三」)・白絵で三ツ、ゴミ入りで二ツ、である。 「下四光(... 館長
三 読みカルタの約 (一)「三光」系の役「四光」「五光」 役の紹介では、まず、金銀彩のある「金入札」に注目したい。これから紹介する百に近い役では、ごくわずかな例外を除いて、役を構成する札の中に必ず金入札が含まれる。金入札が最も多いのはすぐ下で紹介する「五光(ごこう)」であり、最も少ないのは、数札八枚の中にポツンと存在する「青馬」一枚の「野馬(のうま)」である。「青の切」一枚の... 館長
2-4 江戸中期の読みカルタ遊技 三 読みカルタ遊技の「役」 それでは、ここで、勝敗を決する最大の要素である「役」の説明に移ろう。『雨中徒然草』には百に近い役が紹介されており、その各々が私にはとても興味深いものがある。だが、さすがに数が多くて長文になるし、内容も専門的過ぎるところもあるので、急ぐ読者はこれを飛ばして四の結論的な文章に移ってくださっても結構である。... 館長
二 『雨中徒然草』が示す江戸時代中期の読みカルタ遊技 (四)読みカルタ遊技での勝敗の決し方 『雨中徒然草』は、次に賭金と計算の仕方に及ぶ。賭金は当事者間での取り決めで定まるが、標準的な例として示されたのは「一角勝負」つまり、一人の賭金額が一分になるものである。その場合、黒石が五十文として十八個、白石が五文として二十個配分される。合計すると一千文、つまり一分である。遊技では、参加者が四人として、一番ごとに各々が... 館長
二 『雨中徒然草』が示す江戸時代中期の読みカルタ遊技 (三)「七まい金入」札の意味すること 七枚の「金入り」札 (左より「アザ」「青三」「太鼓二」「青二」 「青キリ」「青馬」「釈迦十」、右端の札は除く) もう一箇所注意するべきなのは、同じ序文のやや後半の部分にある表現である。「正月、このかたちある繪を手にふれたる人は、神徳を得て七なんをのかれ、七ふくのくわにをふ。去によつて七まい金入と云。二に花かたを付、大こ... 館長
二 『雨中徒然草』が示す江戸時代中期の読みカルタ遊技 (二)読みカルタ札の枚数、遊技参加者の数 読みカルタ遊技図 (プライス・コレクション、『江戸の遊戯』) 『雨中徒然草』は山口格太郎が市中で発見して滴翠美術館で所蔵し、その寛大な学術上の厚意で日本かるた館による研究に提供され、復刻と同人の佐藤要人による翻刻、解説の出版がなされたものである。これにより、読みカルタの研究は飛躍的に向上した。私が日本かるた館の会合に参... 館長
二 『雨中徒然草』が示す江戸時代中期の読みカルタ遊技 (一)読みカルタのカルタ札 『雨中徒然草』表紙 (近世風俗研究会、昭和五十年) 読みカルタの遊技法に関するまとまった史料が少ない事情は、江戸時代中期(1704~89)にまで引き継がれる。読みカルタの内容を詳細に説明した文献は、読みの遊技が最盛期を迎えていた明和七年(1770)に刊行された『雨中徒然草』まで待たねばならなかった。同書は、この時期の読... 館長
2-4 江戸中期の読みカルタ遊技 一 江戸時代前期、「読みカルタ」遊技の流行 日本に伝来したカルタの遊技法の中に、配分された手札を一定のルールに沿って場に捨てて行き、早くすべての札を捨て切った者が勝ちとなる、ゴー・アウト・ゲームがあっても不思議ではない。江戸時代前期に記録の残る「読みカルタ」はこのタイプの遊技法であるので、直感的には海外から伝来した遊技法と思えるが、どこから伝来したものか、あるい... 館長