二 トランプの解禁 (五)カルタ札の呼称と特徴 伝来直後のトランプの呼称は安定せず、当初は「西洋カルタ」という奇妙な名称で呼ばれ、その後「パース」や「パー」という俗称も生まれたが、明治十年代(1877~86)末期に、「團團社」の教則本の著者、櫻城酔士が、トランプの遊技に際して重要な役割りを果たす良き札の「切り札」を意味するトランプという言葉を、カードの品質が良き札を... 館長
二 トランプの解禁 (四)初期のトランプ遊技法 それならば、解禁の当時、トランプの伝来当時の遊技法がどのようなものであったか。明治十八年(1885)年末の緒言を持つ、翌十九年(1886)に出版された『西洋遊戯かるた使用法』に採用されているのは「二十一」、「消了(だしあがり)」、「點繪(てんとり)」「占繪(ゑとり)の別法」、「ナポレオン」であり、ブラックジャックに近い... 館長
二 トランプの解禁 (三)「上方屋」によるトランプ販売の拡大 「團團社」の『西洋遊戯骨牌使用法』の巻末には「大売捌」が列挙されている。「團團社」に協力して販売にあたった店である。初版では東京府内の本石町「上田屋」、横山町「辻岡文助」、南鍋町「兎屋誠」、馬喰町「山口屋」、薬研堀町「鈴木喜右衛門」、浅草三好町「大川屋錠吉」、南伝馬町「松成堂」、通三丁目「丸屋鉄次郎」など都心にある有名... 館長
二 トランプの解禁 (二)「團團社」によるトランプ販売の開始 明治十八年(1885)に「西洋かるた」の販売が公認された。この事情を説明したのは宮武外骨である。彼は昭和四年(1929)に次のように述べた。 「さて采コロや花骨牌、めくり骨牌等は賭博用のものであるから売買を厳禁されて居たのであるが、明治十九年(1886)頃に政府は其禁を解いて公然の売買を許す事にした、それは外国より輸入... 館長
二 トランプの解禁 (一)開国後、解禁前のトランプ 日本では、幕末期の開国以降も、トランプは輸入が認められていなかった。だからそれは、長崎、神戸、横浜などの外国人居留地の内外や、東京の鹿鳴館のような外国人との交際をする場所で遊技される程度の広まり方であった。 万博事前展覧会での西洋カルタ 日本におけるトランプの普及と言えば、まずは、江戸時代末期(1854~67)の開国で... 館長