(一) 聴用牌・財神牌が花牌の起源

花牌(聴用)
花牌(聴用)

文化大革命後、一九七〇年代以降の中国で発行されている標準的な教則本の類に依れば、花牌の歴史は次のようなものとして理解されているようである¹。

昔、初期の麻雀骨牌のセットに、勝負のスピードアップと刺激の増進を狙って、「聴用」と二文字書かれた牌二枚と「財神」の姿を描いた牌二枚が加えられた。「聴用牌」は麻雀牌三四種のいずれとして使ってもよいジョーカー牌である。他方、「財神牌」は「カン」のように横に出して別の牌と交換することで符(得点)が増えるボーナス牌である。「聴用牌」は二枚とも同じデザインだが、「財神牌」は文財神一枚、武財神一枚に分けて彫られた。

その後、花牌の数を倍増して「聴用牌」四枚、「財神牌」四枚(文財神二枚、武財神二枚)とするようになった。これにより、各人がこれらを入手して活用するチャンスが増えた。また、最初に牌を並べるときに全ての競技者が十八枚×二段を並べることになった。

花牌(百撘)
花牌(百撘)

次に、「聴用牌」、「財神牌」の双方に変化が生じた。「聴用牌」は「听用牌」とも呼ばれるようになった。長江中下流地域では「百搭牌」と呼んだ。機能に変化はなく、どの牌とみなしてもよい最強力の牌である。他方で、「財神牌」には「春」「夏」「秋」「冬」の文字が付くようになった。これが手に入ると、符が増えるのに加えて、自分の季節の牌であれば横に出して一翻増えることとした。「東」「南」「西」「北」の風牌と同じ扱いである。教則本の類では、「財神牌」は一枚で風牌三枚と同じ働きをするものであると説明される。「春」は「東」、「夏」は「南」、「秋」は「西」、「冬」は「北」の風牌と思えばよい。例えば「春」の牌を東家が入手すると四符増えるとともに一翻増えるが、南家、西家、北家であれば四符増えるだけである。逆に、東家が「夏」「秋」「冬」などを入手しても四符増えるだけである。


¹ 魯嘉、蒲国強等『麻將大全』、人民体育出版社、一九九六年、一一頁以下。許根儒、称日昇『麻將牌打法与技巧』、天津科学技術出版社、一九八七年、三頁以下。

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