近代カルタ文化の研究 第六章 昭和後期のカルタ、かるた 第六章 昭和後期のカルタ、かるた 昭和後期カルタ史の出発点・敗戦直後のイロハかるた 一 第二次大戦敗戦後の社会とかるた (一)戦後社会での賭博系カルタ遊技の復活 (二)「骨牌税法」の整備、「風俗営業法」の制定 二 骨牌税適用外の「かるた」の消長 (一)戦後社会での「いろはかるた」の展開 (二)「郷土かるた」の展開 (三)「歌合せかるた」の展開 三 賭博遊技系カルタの展開 (一)トランプ類税法の制定 (二)PRトランプ制作の活発化 (三)PR花札 (四)タロット・カードとタロット占い (五)奇術用のカードとトランプ類税 四 戦後期社会の完結とカルタ遊技 (一)かるた業界の変貌 (二)主要なカルタ屋の動向 (三)高度成長期の社会変動とギャンブルの変容 (四)カルタ業界の革新不足 (五)手作りカルタ、手作り花札の終焉 (六)ゲーム・カードとゲーム機の登場 (七)デジタル・ゲームの登場 五 かるた、カルタ史研究の高まり (一)昭和後期のかるた史研究の状況 (二)史料の蒐集を活用する研究の進展 (三)研究者のコミュニケーションの進展 (四)民俗学におけるカルタ文化、かるた文化の無視 (五)児童遊戯史研究、玩具史研究におけるかるた史の軽視 < 第五章 大日本帝國の標準装備となったカルタ 第七章 平成期のかるた遊技 >
一 中国のカルタ (一)日本には中国「紙牌」の痕跡がない 日本のカルタの歴史を考えるとき、まず検討するべきなのは、中国のカルタの伝来であろう。もともとカルタの母国は中国で、唐代(七世紀~十世紀)から...
歌集『百人一首』誕生の謎 一 『百人一首』発祥論への疑問 藤原爲家(早稲田大学図書館) さて、前書きはこの辺で切り上げて本論に入ろう。私は、先の原稿を執筆した際に、いくつかの点で、素人の疑問を提示し...
二 百人一首歌仙絵の世界での指導権の争奪 (七)崇徳院の上畳描写が示す歴史的な意味 歌人絵というジャンルでの土佐派と江戸狩野派のしのぎ合いは、結局は、狩野探幽らの『百人一首手鑑』が幕府に受け入れられたことによって江戸狩野派の...
一 トランプ類税法の廃止と新しいカルタ文化の芽生え (三)「地方札」の覚醒 次に、この時期に、地方をPR したり、地方に残る伝統カルタの保存、復権を図ったりするものもある。これも列挙しよう。 「越後花(新潟県)」(参...
三 「ことば遊びかるた」の広がり (三)浮かび上がる「ことば遊びかるた」群 鈴木棠三は、晩年に『ことば遊び辞典』を改訂して長大な解説を書いた。それが鈴木の長年の研究の集大成のように思えるが、同書で鈴木が「ことば遊び」...
二 『百人一首手鑑』、『百人一首画帖』発祥の歴史 (二)百人一首画帖(歌仙手鑑)の発祥 百人一首画帖(歌仙手鑑)の歴史を大きくとらえれば、⓪江戸時代初期(1603~52)に、世阿弥光悦の書と土佐派の絵師による歌人画の下絵になる『...